ブラウンサラマンダー



ブラウンサラマンダー(Amybstoma gracile )

アメリカ合衆国北西部に分布する全長20cm前後のサラマンダー。体色は暗褐色、灰色または黒の体色で、頭部の耳腺と尾の上部(毒腺の場所)は特に茶色い。北部の個体群では背面に黄色系の斑点を持つ個体もいるようだ。北部個体はA. g. decorticatum として亜種分類される事もある。耳腺は大きく、繁殖期のオスでは更に耳腺は肥大し後肢や尾も肥大すると共に黒化する。

棲息地は高いところでは3000m級の山地に達し、草原、森林地帯の湿った場所で朽木の下などで生活する。産卵は池などで行われ複数の卵が固まった卵塊を水中の枯れ木や植物などに産み付ける。幼生は止水性型。

耳腺は大きく、白い有毒物質を放出できる。 腹部はグレーの単色。

飼育1例

シェルターとなる瓦やコルクが入っているがこれほどシェルターを入れなくとも大丈夫。あまり臆病な性格では無く石や小さい流木等、体が触れている程度のものでも臆する事なく餌を食べる。湿度はあまり多湿にしないで飼育している。割と飼育に手間がいらない種だが、温度はやはり低温を好み、25℃以下で飼育する。アンビストマの仲間は比較的高温にも耐えるが、少し掃除をさぼるとすぐに病気になるので低温と衛生には注意しなければいけない。

餌はコオロギ、ハニーワームをよく食べるが、すぐにピンセットからも採餌するようになるのでレプトミン等の人工餌を中心に補助的にコオロギを撒いておく給餌方法で飼育している。

追記:06年からか?数年飼育してみたが、本種は細菌感染によくかかる。毎日の水換えと給餌ストップで回復するも1年スパンぐらいで調子を崩した。09年にかかった感染症は凄まじかった。1匹の目の下が少し白いなぁと思ったら3日後ぐらいに患部が溶け出し、同居個体にも感染。感染個体は気付いてから1週間程で死亡する。そして次々と別ケージに収納していた同種や他種のガライカ等も続々と感染しまくった。ガライカ、クレスポイ、テレストレスとファイアー系に被害が続出したが不思議な事に国産種には1匹も被害が無かった。いずれも目の下が白くなる事から始まり、ファイアーでは頭や体が溶け出す。数種の抗生剤を試すも効果無く、専門医に相談し、結局硫酸ゲンタマイシンともう1種(名前忘れた黄色い点眼薬)の併用で沈静化した。毎夜20個以上の水槽を洗浄消毒し投薬と地獄だったが、頭が半分無くなったガライカも回復し元気に成長している。しかし合計10匹ぐらいは死なせてしまった。この後次男が謎の感染症を発症し入院。某教授のイモリからの感染例と似た症状の為、まさか子供にも!と人生最大の冷や汗をかく。しかし可能性は低いでしょうとの事、よかった・・。本種は10年6月に再度感染症を患い(喉下が多少膨らむ)ほぼ全滅状態になってしまった。これほどまでに病気を繰り返す種類もあまり経験がない。最高温度23度、週2の清掃だったが夏に状態を崩す事が多く、かなりの低温が必要なのかもしれない。

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